オーストラリアでのCB開局には、驚くべきコトに申請も登録もライセンス料金もナシ、局長の国籍も一切関係ありません。コールサインは自分自身で勝手に決めるように推奨されています。数多いVK政府認定機種を使うのが条件ですが、送信改造さえしなければ新品でも中古でも手に入れたその場から運用可能。公序良俗に反さない交信内容ならばプライベートでもビジネスでも通信目的は選びません。セルコールなどの選択呼出やトーンスケルチはOKですが、CBバンドでの秘話装置の付加/データ通信/フォーンパッチに関しては、現在のところパブリックコメントを基にした法改正を検討中とのことで、まだ開放されていません。
※追記:UHF CB
22ch/23chに限ってデータ通信と各種リモコンデバイス使用が追加認可されました。

従事者資格が必要ないCB用無線機そのものは、クラスライセンスという携帯電話と同じような包括免許制度(ユーザー側には直接の手間・カネがかからないシステム)で管理されていますが、特定の民間組織や仲介法人が利権を与えられて代行している訳ではありません。一方、プロ・アマの有資格無線従事者達が趣味として楽しむアマチュア用無線機はアマチュア無線本来の建前に敬意を表して<クラスライセンス>からは除外されています。すべて免許人/運用者個人の責任&リスクにおいて、メーカー製、自作機、送信改造、リニアアンプの使用も自由ですし、包括枠内で運用する限りは無線設備についての落成検査などもありません。

UHF/CB帯には地域&広域レピーターが星の数ほど多数あります。しかもその多くがユーザーサービスの一環として行われているメーカー寄贈とメインテナンスによるもので、もちろん誰でもビジネスやプライベート目的で自由に使える公共オープンレピーターとなっています。ややこしい<管理団体>とやらもあんまり存在しませんし、会員制とか会費制でもありません。他人の通信に興味のないユーザーは、合法のトーンスケルチやセルコールを使用してしずかなワッチをしています。VKのCB無線業務に使用される無線機は、モービル・固定・ハンディー機ともUHF/FM出力は5Wまで、HF/CB局のSSB出力は12W/pepが上限パワーで、多素子ビームアンテナを含む外部アンテナの使用も自由ですから日本のアマチュア4級局とこの点に限っては大差ないような気がします。現実に、一般ハム達も気楽にCBバンドに出没して(中にはハム用のホンモノのVKコールサインを名乗っている局すらあります!)、ハム以外の無線仲間達(
?)を混じえて気軽におしゃべりしていたりします。

違法か合法かは良く判りませんが、国内DXは当然、外国とだって11m/SSB でじゃんじゃん交信していてCB専用のQSLビューローの利用者も多いみたいです。巷の本屋サンに並んでいる無線月刊雑誌には【11mDX情報コーナー】 も毎月盛況連載で、各国のCBアクティビティーやら珍局から届いたQSLカード紹介(QSLマネージャとかも存在して、ここでもグリーンスタンプやIRCが幅をきかせているようです)、無線機情報、DXペディションのスケジュールなども沢山掲載されています。

アマチュア無線でもパイルアップになるようなエンティティーからのQRV情報やQSLマネージャーリストもズラリ。数ヶ月前にレポートされていましたが、『小笠原諸島の珍局がQSL情報をいくら尋ねても流さない』には笑えました。カタカナ英語で神戸だの横須賀だのとアナウンスしているSSBのCB局は、なんとQSLインフォメーション(私書箱)まで堂々と公開中・・・いいのかなぁ。

 
▼これがVKの合法CB局(Richardさん局)です!▼
日本製品も活躍しているシャックの様子
HF・5エレ/UHF・13エレx2、アンテナはすべて自作
   
<無法地帯>でありながら、あんまりトラブルも起きずに皆さん結構仲良くやっています。<私をスキーに連れてって>的な通信だけが目的の人たちはCB制度を存分に活用していますし、登山家やレジャー&アウトドアスポーツ目的の海上や上空でのちょっとした連絡手段としても重宝されています。

大陸横断ハイウエーを疾走するトラックには、Eスポ交信が可能なHF帯のCB無線機が必需品で主に#8チャンネルがトラック野郎達のコールチャンネルになっています。長距離トラックの業務通信用には希望する各社ごとにHF帯チャンネル複数が割り当てられていて、本社や同僚との長距離無線通信が可能になっています。一般乗用車のドライバー達も、人里離れたハイウエー上で故障したり事故に遭った場合にCB無線を通じて長距離トラックに助けられることがザラ。ハイウエーのパーキングエリアにあるガソリンスタンドでも、折れた場合のスペア用としてHF/CB用のヘリカルホイップアンテナを売っている位に定着しています。

もちろん、無法地帯ならではのオーバーパワー局や妨害電波出没はザラで、ときどき私設取締隊が出動したり良識派CBerが嘆いていたり・・・、ここらあたりは<日本のCB無線界>よりも、皆さんが良く話題にされている<日本のアマチュア無線界>一部と似たような現状がなんとも面白い。違うのは、イタズラ妨害局のほとんどがティーンエイジャーの青少年局ってこと。


なんとなく無法地帯の住人であることが嫌になってきた人、地球規模で胸を張れる自分だけのコールサインが欲しいヒト、世界中に友人を作りたいヒト、もっと色々なバンドやモードでCONDXの波に乗ってコミュニケーションを思う存分に楽しみたい人、送信機を自由に自作してすぐに運用実験ができるVKアマチュア制度を利用して無線関連技術をもっと深く極めたい多くの無線オタク達・・・などがCB開局をきっかけにして真のアマチュア無線家への道を目指しています。
 
※ちなみに、VKのアマチュア無線連盟の地方支部が毎月開催する月例会は会員・非会員を問わずに誰でも気軽に参加OKのオープン制度で賑わっています。 『VKのアマチュア無線連盟は会員だけのためでなく、VKアマチュアすべてのために存在する』という創立以来の確固たるポリシーが基本なのだそうです。 ボランティア講師達によってオーストラリア各地で開催されているアマチュア資格を取得するための講習会はほとんどが無料。だれでも視聴可能なUHFチャンネル37での送信を特別に許可されているアマチュアTVクラブ局でも一般市民向けにハム資格取得講習プログラムを順を追って定期発信(政府黙認目的外通信?!)しています。
   

■文化・法律・習慣そのものや官僚/お役所(Public Servant/Public Service)に対する一般市民の気持、法律や制度についての考え方がずいぶん違う<他国の制度>を<日本の制度>と比較して『どちらがいいとか悪いとか』の議論をするつもりもありませんし、日本国内の一部の皆さんが常日頃からご指摘されておられるような『オーストラリア自慢話』をJARAメンバーや私個人が得意になって独演しているつもりもありません。なにごとも皆さん個人の価値判断がすべてです。ここでは外国での現状を皆さんのご参考のために報告させていただいているだけでそれ以外の他意は全くありません。どうか誤解なきようにお願い致します。(de VK1ARA)