■オーストラリアに、、、ついに『その日』 がやって来ました!
【アマチュア資格の国際規格化】
▼更なる暫定措置とは・・・?

オーストラリアでは、すでにIntermediateクラス(全クラス共通電波法規試験・国内法&国際法+上級無線工学試験+モールス5Words/分送受合格者)の最上級・Unrestrictedクラス運用操作範囲同等化など、将来のモールス試験完全撤廃を視野に入れた過渡期における段階的暫定措置がスタートして久しいです。

 
今回の改訂も、国際的に足並みが揃わない現環境下で、所持するVK資格を基にして海外運用を行うオーストラリア人アマチュア達が不利な目に遇わないように『過渡期的心遣い』が垣間見られる内容に仕上げられています。『モールスコード試験廃止の方向に向かっている・・・』これは、個々のアマチュア無線家自身に価値判断が委ねられただけで、法律によってモールス通信が禁止されたり、アマチュア無線界からモールス通信そのものが消え去ることを意味している訳ではありません。
ご参考:【CWモードお宝論】
 
2003年後半にオーストラリア国内各地で行われた公聴会などを通じて寄せられたビギナーからベテランまでの一般アマチュアを含めたさまざまな意見を反映して、今まではHF帯の運用ができなかったLimited(最上級無線工学試験・モールス試験無し)/Novice Limited(初級無線工学試験・モールス試験無し) 資格局によるHF帯運用が2004年1月1日から解放されました。
 

The Australian Communications Authority (ACA) is reviewing regulatory and licensing arrangements for the amateur service.

A discussion paper was released in August 2003, and public meetings were held in 10 cities around Australia.

As a result of this extensive public consultation process, the ACA has decided to discontinue the Morse code proficiency requirement for the amateur service.

 
今回の改訂によって、オーストラリア国内アマチュア資格所持者すべてがモールス送受能力の有無に関わらずに『それぞれの資格に与えられた運用操作範囲内』で局長として、今までと全く同じ資格別コールサインを名乗ってHF帯でのアマチュア局単独運用操作が可能になった・・・ということです。
 
▼モールス送受信試験は存続・・・
日本国内のハム雑誌記事として『オーストラリアでは2004年1月1日からモールス試験廃止』とか伝えられたそうですが、もしかするとそれはどなたかの勘違いかもしれません。
今回の暫定措置で興味深いのは『モールス試験そのものが撤廃された訳でない』という点です。よって、これからもしばらく続く過渡期暫定期間中はコールサイン割り当ても従来通りの『資格別コールサイン』、そして『資格別モールス送受信テスト』も継続されます。
 
監督官庁であるACAによれば・・・モールス試験そのものが廃止されない理由は、モールス符号は『無線/有線通信の原点』とも言える上に、アマチュア無線では現在でも人気のある電波形式の一つ。国際的にはまだまだモールス送受能力にこだわっている国が多い中、『VK資格局が海外で運用許可を申請する折に不利にならないように』、しかし『VK国内では、皆さんCW能力に関係なくそれぞれのやり方でHF運用を楽しんでください!』という現在の過渡期環境下での二足わらじ的要望を満たすための臨機応変暫定策だそうです。
 
※1:オーストラリア国内従事者資格に基づいた各クラスライセンスをお持ちの方は、なんの変更も届け出も必要ありません。オーストラリア国籍以外の方でも、海外在住の方でも、現在のライセンス/コールサインのままで今回の変更が自動的に適用されます。
※2:オーストラリア以外の海外ライセンスを使って相互運用協定に基づいて発給された運用許可証(ビジターライセンス)に運用条件/制限事項が追記されていた場合、ACA側に確認・解除してもらうまで追記内容は継続して適用されますのでご注意ください。
※3:運良く、ビジターライセンスに特別の条件や限定事項が追記されていない場合は、上記(※:2)の限りではありません。今回の暫定措置がそのまま適用されますからCW能力不問でHF運用ができるようになります。(日本の4級資格を基に運用許可を申請した場合、リミテッド系のコールサインが付与されますが、担当係官の裁量で30MHz以上/上限出力が10Wに制限されることが多いです)
 
▼新暫定措置通達原文抜粋

Morse code proficiency requirement to be removed As a result of an extensive public consultation process, the ACA has decided to discontinue the Morse code proficiency requirement for the amateur service.

This decision was made considering public comments at the meetings and initial analysis of submissions to the discussion paper.
The ACA has amended the amateur radio licence conditions specified in the Radiocommunications Licence Conditions (Amateur Licence) Determination No. 1 of 1997 to reflect this decision.

The amendments will give:
holders of Intermediate and Limited Amateur licences access to the same frequency bands as Unrestricted Amateur licensees; and holders of the Novice Limited Amateur licence access to the same frequency bands as Novice licensees.


The interim arrangements will come into force on 1 January 2004.


【ACAによる関連FAQはこちら:PDF】
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▼国際規格化が着々と進行中・・・
過渡期暫定期間中は従来通り、VK従事者資格は4種類/資格別コールサインの種別は5種類に分割されたままですが、2004年1月1日から実質的運用操作範囲が 『上級』 『下級』 二種類の包括的パッケージに簡素化されています。
ご参考:【各クラスの旧運用可能周波数】
 
▼上級局用包括周波数帯パッケージ(Unrestricted級互換)
▼VK国内では運用操作範囲がアンリストリクテッド局互換の各クラス▼

インターミディエイト級(5W/pm)

リミテッド級(CW試験無し)

1.800MHz-1.875MHz 1.800MHz-1.875MHz
3.500MHz-3.700MHz 3.500MHz-3.700MHz
3.794MHz-3.800MHz 3.794MHz-3.800MHz
7.000MHz-7.300MHz 7.000MHz-7.300MHz
10.100MHz-10.150MHz 10.100MHz-10.150MHz
14.000MHz-14.350MHz 14.000MHz-14.350MHz
18.068MHz-18.168MHz 18.068MHz-18.168MHz
21.000MHz-21.450MHz 21.000MHz-21.450MHz
24.890MHz-24.990MHz 24.890MHz-24.990MHz
28.000MHz-29.700MHz 28.000MHz-29.700MHz
50.000MHz-54.000MHz 50.000MHz-54.000MHz
144.000MHz-148.000MHz 144.000MHz-148.000MHz
420.000MHz-450.000MHz 420.000MHz-450.000MHz
↓SHF帯以上は省略
 
▼下級局用包括周波数帯パッケージ(Novice級互換)
▼VK国内ではノビス/ノビスリミテッド級も運用操作範囲が同じになりました▼

ノビス級(5W/pm)

ノビスリミテッド級(CW試験無し)

3.525MHz-3.625MHz 3.525MHz-3.625MHz
21.125MHz-21.300MHz 21.125MHz-21.300MHz
28.100MHz-28.600Mhz 28.100MHz-28.600Mhz
144.692MHz-145.208MHz 144.692MHz-145.208MHz
146.000 MHz-148.000MHz 146.000MHz-148.000MHz
433.000MHz-435.000MHz 433.000MHz-435.000MHz
438.000MHz-440.000MHz 438.000MHz-440.000MHz
 

※日本のアマチュア制度との足並みが揃っていない現段階ですと、相互運用協定を利用してVK運用許可を取得する日本の4級・3級資格者にもVK従事者資格に基づいたリミテッド/インターミディエイト級と同等の新HF帯運用操作範囲が許されるとは限りませんのでご注意ください。受け取った運用許可証をチラっと眺めて制限事項が付記されていなかった場合は、お礼以外の余計なことを言わずにニコニコとその場を立ち去るに限ります(笑)

通常は、あくまでも『局免許状の記載事項詳細』を眺めて判断する窓口の担当係官の裁量によりますので、運用許可証(ライセンス)に許可条件/制限事項(最大出力や運用可能周波数など)が付記される場合があります。JAハム文化の象徴であるかのような自主包括制度の個人的導入お手盛りハイパワー運用などは、簡便な開局手続きや個人責任による自由度の高さを担保する厳しい罰則規定と資格別コールサインが定着しているVKではちょっとばかりやりにくい雰囲気です。

50W以上の出力で、HF〜UHF以上までの各バンド/CWを含む所持資格相応の各モードが目一杯網羅されている日本の局免許状でしたらよほどの悪運を除いて制限事項は付かないと考えて差し支えありません。上級資格者(特に3級資格局)なのに出力電力が10Wだったり、バンドやモードが少ししか記載されていない局免許状を見せてしまった場合が要注意です。

不明な点があったり、どうしても納得がいかない場合は窓口係官に質問/交渉するなど・・・状況に応じて上手にお立ち回りください。『単なる権利の主張よりも意義と熱意のアピール』、これが開拓者の国・オーストラリアで行政側と何かを交渉する際の基本的心構えです。『もしも有意義な方向で必要とされるなら、法律や規則は前例などにこだわらず、時代の変遷と市民の要望に応じていつでも臨機応変に解釈・改訂すればいい』というのがオーストラリア行政のコンセプトだそうです。

 
▼ご参考:VK資格局が日本で開局しようとすると・・・
オーストラリアの資格 日本で認められる運用操作範囲
Unrestricted(AOCP)最上級アマチュア局 級アマチュア無線技士
Limited(AOLCP)Unrestricted互換局 級アマチュア無線技士
Intermediate(AOLCP+NAOCP)Unrestricted互換局 級アマチュア無線技士
Novice(NAOCP)下級アマチュア局 級アマチュア無線技士
Novice Limited(NLAOCP)Novice互換局 級アマチュア無線技士(?不明?)
ご参考:【VKのアマチュア資格試験】 【ARRL⇒FCCの新提案】
 
Updated:January/2004

関連過去記事【CW要求撤廃への暫定措置】