■難解な理論や測定はさておいて、とりあえず簡易シミュレーション・・・
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一見すれば同じような送信機やアンテナでも、なかなか目には見えない電波が相手ですから、高周波火傷をしたとかのよほど極端な場合を除いて、測定条件や周辺環境や被曝対象の個体差によって電界強度/健康に与える影響を理屈(机上の計算や研究室での実験結果)だけでは因果関係を証明(解明)しにくいのが現状です。
 
現実離れした仮想環境を除いてさえ、『精神状態に与える影響・・・』とかも含めて微妙なところであれこれ言い始めたらそれこそ『キリがない』のが、因果関係の推定と証明分野が非常に多岐にわたる電磁波被曝関連の種々問題の興味深い部分でもあり難解な課題でもあります。そこで、専門家以外には理解しにくい各種条件下での【測定・計算方法】(←チラっと眺めただけですが、この分野にはど素人であるARAにとっては、例え日本語で書かれていたとしても正直に言ってチンプンカンプンだと思います)とは別に、『かなりアバウトながら一応の目安』とも言えるような当面の一般アマチュア局運用環境に則したアマチュア局向けクリア数値(送信用アンテナからの最低安全確保距離)を判りやすい早見表にしてACAが公表してくれました。
 
以下に転載させていただいた早見表に記載された『安全確保距離の定義』は、送信用アンテナとして動作するあらゆる部分(給電点だけではない)からの最短距離です。 普通の八木アンテナなどの場合はタワー本体は含まれませんが、ローバンドでよく使われるタワードライブアンテナの場合はタワーそのものも、カウンターポイズやラジアル線使用の場合は、カウンターポイズやラジアル線も『アンテナの一部』として考慮した方がより安全圏に近づける・・・との見解ですので、給電線に接続された高周波が乗る可能性のある低地上高ワイヤーを道路や隣家との境界線間近まで張り巡らせている場合は注意が必要かもしれません。
 
とりあえず、『細かいことは抜きにして自局の安全性のあらましを確かめて、基準を満たしていない部分にはそれなりの対策をほどこし、疑問点があれば遠慮なく問い合わせて欲しい』とACAはアナウンスしています。VK無線連盟のWIAも、一般アマチュアに向けた『より理解しやすいガイドラインと具体的対策案』をACAと連携して作成中ですので、近日中には詳細がさらに明確になるでしょう。
この防護基準は、あくまでも無線局とは関係のない第三者の安全確保を目的としていて、納得づくでアマチュア局運用や保守に関わる自業自得関係者をカバーしていないことは言うまでもありません。
 
『どうしても・・・』とおっしゃるとことん掘り下げ志向的皆さんや、悪夢のような民事訴訟問題などに実際に巻き込まれてしまった不運な場合を除いて、一般アマチュア局はできるだけ整合の良好なアンテナの使用を前提に、理論上は『純粋な給電線』からの輻射は無視、伝送経路でのパワー損失などは余裕マージンと解釈、以下の早見表を参考にして自局設備のEMR基準適合性を判断・処置すれば何かと混沌とした現況下ではテマ・ヒマ・コストをかけずに『とりあえずOK』の模様です。
 
自作やメーカー製改造の送信設備の場合は期待する最大出力もしくは設計値どちらかの大きいほう、改造していないメーカー製の場合は仕様書に記載された最大出力、ビームアンテナを使用の場合はビーム方向への輻射最大値を念頭に置いて自己査定すれば、『万が一何らかのイチャモンがついた場合の基準遵守安全圏確保への早道・・・』というACAのアドバイスです。特定無線局に対する電磁波被曝被害関連の名指しイチャモン(匿名でない)がACA宛てに正式に申告→受理された場合は、訪問日時連絡の上でACAの臨局検査が行われます。その結果、もしも基準に合致していない部分が判明すれば『改善命令』が出されますし、その事実(非遵守)を証拠にややこしい民事裁判へともつれこむ『最悪の状況』も危惧されます。改善命令にも従わない確信犯であり、さらに公序良俗を大幅に逸した基準非遵守悪質局を除いて『当分の間』はACA告発による刑事裁判は控える方針だそうです。
 
『この規制値を超えた場合に、果たしてどのような人体に対する具体的悪影響があることがきちんと証明されたのか?』とかの疑問は残りますし、あれこれ推測したり議論するのも興味深いかもしれませんが、個々のアマチュア無線家レベルでの知識と得られる情報のみでは、医学・生物学や電磁波関連などの広汎にわたるこの分野でのまともな議論展開は難しいかもしれません。そんな訳で、ここでは井戸端会議は抜きにして単純かつ素直にACA側のアドバイスに従うことにします。
 
善意の第三者が規制値範囲内に近づきにくい一戸建て住宅の屋根上や裏庭のタワー上に隔離して送信用アンテナが架設されているいる状況ならばともかく、、、『アマチュア無線大好き・でも貧乏ヒマなし』のARAにとっては、隣家に近いマンションを始めとする集合住宅のベランダなどに設置されたアンテナ、大勢の訪問者が見込まれる各種イベント参加局、公共的宿泊施設や野外での移動運用時、歩行者や車で混雑する市街地モービルでの包括枠内ハイパワー(400W)運用時・・・など、具体的にはどのように以下の基準をクリアしたらベストなのか気にかかるところです。

▼表1:各電波形式によるレーティング(pep powerをEMR関連で使われるmean powerに変換)
Mode Form Factor Notes
一般的なSSB 0.2 Note 1
一般的なSSB (with compression) 0.5 Note 2
音声FM 1  
音声フルキャリアAM, 50%変調 0.5  
音声フルキャリアAM, 100%変調 0.3  
デジタルモード(eg PSK31, AMTOR, MFSK) 1  
通常のCWモード 0.4  
無変調キャリア 1 Note 3
アナログTV 0.6 Note 4
Note:
1: Includes voice characteristic and syllabic duty factor. No speech processing.
2: Includes voice characteristic and syllabic duty factor. Heavy speech processing employed.
3: A full carrier is commonly used for tune-up purposes.
4: Monochrome or PAL, NTSC or SECAM coded video.

※レーティング表の使用例:例えば200w/pep出力のマイクコンプレッサーとかを使用していないSSBモードなら、<200w(pep power) x 0.2(Form Factor) = 40w(mean power)>とされる模様です。

▼よろしければ、以下の簡易計算機を安全基準値を満たしているかの推測にお役立てください▼
PEPをMean Powerに変換する簡易計算機 Mean PowerをdBWに変換する簡易計算機
※上の『EMR Help計算機』は以下の『ACA公表・早見表』転載と併用してご活用ください。
IE6.xxやNN7.xxなど、最近の巷で『一般的』に使われているブラウザのデフォルト設定ですと、一度呼び出された簡易計算機は、どちらもメイン画面をクリックするとタスクバーに格納されて待機状態になります。画面上に二つとも呼び出して同時使用することも可能に設定してありますが、メイン画面(このページ)を閉じたり他のページへ移動すると自動的に消滅します。
▼表2_a:上表を基に導き出した想定mean powerに想定アンテナゲインを組み合わせた早見表

Frequency

Antenna Gain

Power

Power

Power

Power

Power

(MHz/Band)

(dBi)

10 w

25 w

50 w

120 w

200 w

 

2(160m)

0

0.28

0.45

0.63

0.99

1.28

2(160m)

3

0.41

0.65

0.92

1.42

1.83

 

4(80m)

0

0.41

0.65

0.92

1.42

1.83

4(80m)

3

0.57

0.90

1.27

1.97

2.54

 

7(40m)

0

0.54

0.85

1.20

1.86

2.40

7(40m)

3

0.76

1.20

1.70

2.63

3.40

7(40m)

6

1.04

1.65

2.33

3.62

4.67

 

10(30m)

0

0.63

1.00

1.41

2.19

2.83

10(30m)

3

0.89

1.40

1.98

3.07

3.96

10(30m)

6

1.27

2.00

2.83

4.38

5.65

 

14(20m)

0

0.63

1.00

1.41

2.19

2.83

14(20m)

3

0.89

1.40

1.98

3.07

3.96

14(20m)

6

1.27

2.00

2.83

4.38

5.65

14(20m)

9

1.77

2.80

3.96

6.13

7.91

 

18(17m)

0

0.63

1.00

1.41

2.19

2.83

18(17m)

3

0.89

1.40

1.98

3.07

3.96

18(17m)

6

1.27

2.00

2.83

4.38

5.65

18(17m)

9

1.77

2.80

3.96

6.13

7.91

 

21(15m)

0

0.63

1.00

1.41

2.19

2.83

21(15m)

3

0.89

1.40

1.98

3.07

3.96

21(15m)

6

1.27

2.00

2.83

4.38

5.65

21(15m)

9

1.77

2.80

3.96

6.13

7.91

 

25(12m)

0

0.63

1.00

1.41

2.19

2.83

25(12m)

3

0.89

1.40

1.98

3.07

3.96

25(12m)

6

1.27

2.00

2.83

4.38

5.65

25(12m)

9

1.77

2.80

3.96

6.13

7.91

 

30(10m)

0

0.63

1.00

1.41

2.19

2.83

30(10m)

3

0.89

1.40

1.98

3.07

3.96

30(10m)

6

1.27

2.00

2.83

4.38

5.65

30(10m)

9

1.77

2.80

3.96

6.13

7.91

 
NOTE:    
These separation distances apply only in the direction of the main beam/lobe of the antenna.  The figures for 0 dBi gain can be applied outside the main lobe, which can be taken as being ±45 degrees off boresight/antenna boom axis for the purpose of compliance.  If the actual radiation pattern is known (manufacturer’s specification or calculation) then this should be used instead.  For Yagi antennas, the appropriate angle from table 13 should be used to determine the boundary of the main lobe rather than 45°; see also example 2 on page 10.
 
▼表2_b:VHF/UHF帯の早見表

Frequency

Antenna Gain

Power

Power

Power

Power

Power

(MHz/Band)

(dBi)

10 watts

25 watts

 50 watts

120 watts

200 watts

 

50 (6m)

0

0.63

1.00

1.40

2.19

2.83

50 (6m)

3

0.89

1.40

2.00

3.07

3.96

50 (6m)

6

1.27

2.00

2.80

4.38

5.65

50 (6m)

9

1.77

2.80

4.00

6.13

7.91

50 (6m)

12

2.50

3.95

5.60

8.65

11.17

50 (6m)

15

3.54

5.60

7.90

12.27

15.84

 

144(2m)

0

0.63

1.00

1.4

2.19

2.83

144(2m)

3

0.89

1.40

2.0

3.07

3.96

144(2m)

6

1.27

2.00

2.8

4.38

5.65

144(2m)

9

1.77

2.80

4.0

6.13

7.91

144(2m)

12

2.50

3.95

5.6

8.65

11.17

144(2m)

15

3.54

5.60

7.9

12.27

15.84

144(2m)

20

6.29

9.95

14.1

21.80

28.14

 

450(70cm)

0

0.63

1.00

1.4

2.19

2.83

450(70cm)

3

0.89

1.40

2.0

3.07

3.96

450(70cm)

6

1.27

2.00

2.8

4.38

5.65

450(70cm)

9

1.77

2.80

4.0

6.13

7.91

450(70cm)

12

2.50

3.95

5.6

8.65

11.17

450(70cm)

15

3.54

5.60

7.9

12.27

15.84

450(70cm)

20

6.29

9.95

14.1

21.80

28.14

 

1240(23cm)

0

0.63

1.00

1.4

2.19

2.83

1240(23cm)

3

0.89

1.40

2.0

3.07

3.96

1240(23cm)

6

1.27

2.00

2.8

4.38

5.65

1240(23cm)

9

1.77

2.80

4.0

6.13

7.91

1240(23cm)

12

2.50

3.95

5.6

8.65

11.17

1240(23cm)

15

3.54

5.60

7.9

12.27

15.84

1240(23cm)

20

6.29

9.95

14.1

21.80

28.14

 
NOTE:    
These separation distances apply only in the direction of the main beam/lobe of the antenna.  The figures for 0 dBi gain can be applied outside the main lobe, which can be taken as being ±45 degrees off boresight/antenna boom axis for the purpose of compliance. If the actual radiation pattern is known (manufacturer’s specification or calculation) then this should be used instead.  For Yagi antennas, the appropriate angle from table 13 should be used to determine the boundary of the main lobe rather than 45°; see also example 2 on page 10.
 
表3:ごく一般的な3エレ・HFトライバンダー八木アンテナ

Power (watts)

14 MHz, 6.5 dBi

21 MHz, 7 dBi

28 MHz, 8dBi

10

1.33

1.42

1.58

25

2.10

2.25

2.5

50

2.97

3.18

3.54

120

4.60

4.93

5.48

200

5.94

6.36

7.07

 
▼表4:無指向性1/4λグランドプレーンおよびバーチカルアンテナ(推定利得=1dBi)

Power (watts)

3.5 MHz

7 MHz

14 MHz

21 MHz

28 MHz

10

0.41

0.60

0.70

0.70

0.70

25

0.65

0.95

1.1

1.1

1.1

50

0.92

1.34

1.56

1.56

1.56

120

1.42

2.08

2.41

2.41

2.41

200

1.83

2.69

3.11

3.11

3.11

 
▼表5:全長1/2λの水平ダイポールアンテナ(推定利得=2dBi)

Power (watts)

3.5 MHz

7 MHz

14 MHz

21 MHz

28 MHz

10

0.47

0.66

0.79

0.79

0.79

25

0.75

1.05

1.25

1.25

1.25

50

1.06

1.48

1.77

1.77

1.77

120

1.64

2.30

2.74

2.74

2.74

200

2.12

2.97

3.54

3.54

3.54

 
▼表6:VHF/帯における1/4λグランドプレーンアンテナ(146MHz/推定利得=1dBi)

Power (watts)

規制数値をクリアするために必要なアンテナからの直線最短距離(m)

10

0.71

25

1.12

50

1.58

120

2.45

200

3.16

 
表7:UHF/帯における5/8λグランドプレーンアンテナ(446MHz/推定利得=4dBi)

Power (watts)

規制数値をクリアするために必要なアンテナからの直線最短距離(m)

10

1.00

25

1.58

50

2.24

120

3.46

200

4.67

 
▼表8:17エレメントを5/8λブームに配置した八木アンテナ(144MHz/推定利得=16.8dBi)

Power (watts)

規制数値をクリアするために必要なアンテナからの直線最短距離(m)

10

4.40

25

6.90

50

9.75

120

15.12

200

19.52

 
▼表9:HF帯用ディスコーンアンテナ(推定利得=2dBi)

Power (watts)

3.5 MHz

7 MHz

14 MHz

28 MHz

10

0.47

0.66

0.79

0.79

25

0.74

1.05

1.26

1.25

50

1.05

1.48

1.78

1.78

120

1.62

2.30

2.75

2.75

200

2.09

2.97

3.55

3.55

 
▼表10¥:VHF/UHF帯用ディスコーンアンテナ(推定利得=2dBi)

Power (watts)

50 MHz

144 MHz

440 MHz

10

0.8

0.8

0.8

25

1.25

1.25

1.25

50

1.8

1.8

1.8

120

2.74

2.74

2.74

200

3.54

3.54

3.54

 
▼表11:HF帯用1/4λハーフ・スローパーアンテナ(推定平均利得=6.7dBi)

Power (watts)

7 MHz

14 MHz

21 MHz

28 MHz

10

1.14

1.36

1.36

1.36

25

1.80

2.15

2.15

2.15

50

2.55

3.04

3.04

3.04

120

3.94

4.71

4.71

4.71

200

5.09

6.08

6.08

6.08

 
 
▼表12:VHF帯用4列2段17エレメント・5/8λブーム八木アンテナ(推定利得=24dBi)

Power (watts)

規制数値をクリアするために必要なアンテナからの直線最短距離(m)

10

9.99

25

15.80

50

22.35

120

34.62

200

44.69

 
 
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