■オーストラリアの国家試験を受けて開局する
【相互運用協定を使って開局する】
 
 ■このページのINDEX
*オーストラリアのアマチュア無線従事者資格を所持するメリット、受験に関する注意点 
*相互運用協定と豪州資格の関係、日本やアメリカ合衆国の相互運用制度との違いなど
*VKアマチュア資格と資格別運用可能周波数帯
*試験科目、試験内容の詳細、受験戦略と教材・模擬試験サイトへの外部リンク
 
以前の行政改革後、オーストラリアのアマチュア無線従事者の国家試験はWIAのボランティア試験官によって運営されていましたが、2009年の2月からは全アマチュア無線資格について、国家試験の実施から無線従事者免許証の発行までがオーストラリアのアマチュア無線連盟であるWIAに民間委託されています。

アマチュア無線が華やかりし旧き善き時代の大都市では一ヶ月に一度位の割で定期的に実施されていましたが、ここしばらくの受験者減によって実施頻度が減っている地域が数多くあると聞きました。
2005年10月19日以降、新設されたファウンデーションクラス効果(?)が現れたのか、受験者総数が僅かながら上向きに転じた年度もあった様子です。

クリスマス・お正月・イースターなどのホリデーシーズンはボランティア試験監督の人数不足などで試験が予定通りに実施されない地域が出現するらしいのでご注意ください。

【こちら】のページから滞在/居住地域の最寄のボランティア試験官を選んで問い合わせをすれば、日程や試験内容、近日中のクラス別講習会開催予定など親切に案内してもらえます。

オーストラリアのアマチュア無線従事者資格を所持していれば、世界中の沢山の国で英訳証明無しで通用しますし(原則としてVK資格を認証している国でも、オーストラリア国籍所持者以外が提示したVK従事者資格を認めてもらえるかどうかに関しては、国によって対応がさまざまですので事前にご確認ください)。新Verは少々格式が低くなったような気もしますが、見た目も日本の<定期券スタイル>とは一味違う<資格証明書>的な威厳のあるフォーマットはまだまだ捨てたものではありません。

『新VK従事者資格が日本ではどのように受け入れられるのか?』につきましては、新制度発足後6年ぐらいも経過した2011年12月31日現在になっても【JARLの英語ページ】には旧制度下のVK資格関連情報しか掲載されておりませんし、新VKアマチュア無線従事者資格オーストラリア人や日本人ハムへの日本側対応関連についての信頼できそうな公開情報源残念ながらなかなか見当たらず、いまだに釈然としない状況です。

オーストラリアのアドバンスト級資格(もしくは国内互換資格)所持者に限定されますが、包括指定を超えて運用したい特殊な場合に限って、正当な理由と技術的裏付けを添付して、最近では一筋縄でいきそうもない特別許可申請を行政側に提出して個別審査・認可してもらう決まりになっています。

最上級資格を取得して 『正当な理由』を認めてもらい、面倒な申請手続と無線設備の【安全性】や電波障害発生状況などの検査さえクリアできれば・・・青天井パワーも見果てぬ夢の彼方ではなくなる、オーストラリアの従事者資格試験です。オーストラリア国内従事者資格に基づいて開局されたアマチュア局の場合、外国籍の非国内居住者でも短期観光ビザでも【ビジターライセンス】のカテゴリーから除外されますので、現住所確認を兼ねて郵送されてくる更新通知書を受け取れる住所さえあれば局免許状(VKコールサイン)を継続維持・更新できます。

※各セッションごとの試験日時・時間割・場所・料金などの詳細情報は各エリアのWIA支部もしくはボランティア試験官に問い合わせて下さい。この国では、『直前になって変更』などという場合も往々ですから要注意。

※どのクラスから受験しても構いません。受験料金と時間を節約するために下級クラスは無視して、いきなり最上級パッケージだけを受験して一発合格してしまうつわもの達も多いです。
  
VK資格取得と相互運用協定との関係

アメリカなど一部の国では、『相互運用協定などによる運用許可と、その国の従事者免許によるライセンスをその場の都合によって使い分けることが出来ない』等の制限があると言われています。 例えば・・・、「日本での1級資格所持者が日本の局免許とコールサインを使用してアメリカ国内で運用していた場合、アメリカのノビス級に合格してアメリカのコールサインを得た途端に日本の資格による運用ができなくなる」という恐い話を聞いたことがあります。

▼制度が違うオーストラリアではこのような心配はご無用!
例えば、日本の1級資格をベースに相互運用協定によって、限定事項無し・アドバンスト局の包括運用許可をもらった人がファウンデーション級の試験に合格した場合、二つのコールサインを使い分けたり、ファウンデーション級局(Fから始まる4文字サフィックス)を開局せずにそのまま最上級局のままでいられます。ですから、最上級局としての運用を楽しみながら、時間をかけて最下級からゆっくりと階段を登るように『VK資格へのチャレンジを楽しむ』ことも可能です。

相互運用協定に基づく運用許可でVKコールサインを得られた場合でも、日本の免許状に記載 されている運用・操作範囲は一切関係ありません。旧電信・電話級/4級/運の悪い3級資格局を除いてVKの包括的ライセンス制度があなたの相互運用許可にもそのまま適用されます。
日本では50W出力・ CW/SSBオンリーの2級資格による移動局でも、日本では許可されていない7100〜7300KHz/3575〜3700KHzなどの周波数帯域を含めて400W/pxオールバンド・オールモードでの移動・固定局運用が包括的に許可されます。

日本の3級資格局の場合、ラッキーな場合は最大出力400/pxに増えます。担当係官の個人的裁量によるお情け的大盤振る舞いにありついて、運良く2000年後半から導入された新制度の恩恵(旧インターミディエイト級相当)に浴することが出来た場合(ライセンスに限定条項をつけられなかった場合)は、一般的なアドバンスト級局と同等の運用が可能になります。

日本の4級・旧電信/電話級資格局場合は、新制度上はアドバンスト級コールサインを割り当てられていますが、運用・操作範囲(最大出力/運用可能周波数/電波型式)が制限されている場合も多そうですから、お手元に届いた運用許可証(ビジターライセンス)の追記事項を十分にご確認の上で運用を開始されることをお勧めいたします。

 
  
▼VKアマチュア資格の種類(2005年10月19日以降)
1:AOCP(A) Amateur Operator's Certificate of Proficiency (Advanced)
↓旧制度VK資格の互換クラス(フルクラスとリミテッドクラス)
Amateur Operator's Certificate of Proficiency (AOCP)
Amateur Operator's Limited Certificate of Proficiency (AOLCP)
2:AOCP(S) Amateur Operator's Certificate of Proficiency (Standard)
↓旧制度VK資格の互換クラス(ノビスクラスとノビスリミテッドクラス)
Novice Amateur Operator's Certificate of Proficiency (NAOCP)
Novice Limited Amateur Operator's Certificate of Proficiency (NLAOCP).
3:AOCP(F) Amateur Operator's Certificate of Proficiency (Foundation)
新設クラスなので相当する旧VK資格はありません

▲旧制度下ではアマチュア局のクラスが全部で5クラス(従事者資格は4クラス)もありましたが、新制度下では新設のファウンデーション級を含めて、アマチュア局のクラス・従事者資格ともに3レベルに簡素化されました。

 
▼新VKアマチュア制度による各クラス運用可能周波数▼

アドバンスト級

スタンダード級

ファンデーション級
1.800MHz-1.875MHz    
3.500MHz-3.700MHz 3.500MHz-3.700MHz 3.500MHz-3.700MHz
3.794MHz-3.800MHz    
7.000MHz-7.300MHz 7.000MHz-7.300MHz 7.000MHz-7.300MHz
10.100MHz-10.150MHz    
14.000MHz-14.350MHz 14.000MHz-14.350MHz  
18.068MHz-18.168MHz    
21.000MHz-21.450MHz 21.000MHz-21.450MHz 21.000MHz-21.450MHz
24.890MHz-24.990MHz    
28.000MHz-29.700MHz 28.000MHz-29.700MHz 28.000MHz-29.700MHz
50.000MHz-54.000MHz 52.000MHz-54.000MHz  
144.000MHz-148.000MHz 144.000MHz-148.000MHz 144.000MHz-148.000MHz
420.000MHz-450.000MHz 430.000MHz-450.000MHz 430.000MHz-450.000MHz
1240.000MHz-1300.000MHz 1240.000MHz-1300.000MHz  
2400.000MHz-2450.000MHz 2400.000MHz-2450.000MHz  
5650.000MHz-5850.000MHz 5650.000MHz-5850.000MHz  

*日本の3級(旧電信級)/4級(旧電話級)アマチュア資格をもとに発給されたアドバンスト級コールサインの場合、運用可能周波数と出力は運用許可証に記載されている追記制限条項に準じます。
*WARC Band /1.8MHz帯/5.6GHz帯より上のバンド(省略)はアドバンスト級専用となります
*包括最大出力:アドバンスト=400W/px、スタンダード=100W/px、ファンデーション=10W/px
*詳細は【こちら/英文PDF】

 
▼試験科目(2005年10月19日以降は全クラスを通じてCW試験が撤廃されました)
1:AOCP(A) 上級無線工学50問(90分)、上級電波法規と運用操作30問( 30分)
AOCP(S)所持者は上級電波法規と運用操作試験を免除
AOCP(F)所持者は運用操作のみ免除
旧ノビス・ノビスリミテッド資格者は上級電波法規のみ免除
2:AOCP(S) 下級無線工学50問(90分)、上級電波法規と運用操作30問( 30分)
AOCP(F)所持者は運用操作のみ免除
3:AOCP(F) 初歩無線工学/初歩電波法規/運用操作、択一式25問(30分一本勝負)

▲全クラス共通のアマチュア局運用操作、アドバンストとスタンダード共通の電波法規、無線工学は上級/下級の2種類。ファウンデーション級の試験問題は『誰にでもアマチュア無線への門戸を開放』することを目的に、一番必要とされる『アマチュア局の運用操作』を中心に据え、その他は上級2クラスと比較して超簡単な全課目統合型合計25問/30分一本勝負になっている様子です。
下から順番に上級資格を取得する場合、試験免除される課目が増えていく(スタンダード級所持者がアドバンスト級資格にチャレンジする場合は上級無線工学試験のみ)・・・というのも、VKアマチュア無線従事者試験制度の魅力の一つです。

 
▼受験戦略


無線工学・電波法規・運用操作ともに記述式ではないので気楽ですが、既出問題プールは残念ながら公開されていません。特に無線工学は丸暗記で合格できるFBな問題・正解集もありませんがざっと眺めたところ上級問題でも日本の3アマ程度だと推測しました。ですから、日本のアマチュア資格を所持する一般的な日本人受験者にとって一番の難関は、出題内容よりも『英語そのもの』のように思えます。
ですから、英語のテクニカルワードや、肯定・否定などの言い回しを覚えておくのが基本となります。各試験問題に使用されている単語や熟語や文法は日本のハム界識者お奨めのアメリカ英語ではなくて、イギリス英語的色彩が濃いのも日本人ハムにとってはハンディーかも?


ファウンデーションクラスのサンプル試験問題

この国では、運用規則や電波法が突然改訂されることは日常茶飯事です。改訂直後の試験問題に限って『一生懸命に勉強したことがムダにならないように古い規則を基準』に出題されることもあるそうですので事前情報が必要です。

短期訪問者のスケジュールに合わせた日本からの郵送による受験申請は、制度上は可能ですが、現実にはかなりの無理が生じることをご理解下さい。

ご参考:VK2DQ/Ronさんが【各受験課目のオンライン模擬試験】を含めて受験情報・独学用資料を【こちら】にアップしてくれています。自分が【不得意とする分野だけのPDFファイル】をダウンロードして独学できるようになっている大変親切かつ便利なウエブサイトです。

 
※試験の日程は前記の通り半定期的な上、不安定です。
各科目の試験開始時刻・受験申請書の送り先・受験料総額も地域やセッションによって違う場合が多いですから【受験希望地のWIA支部や各地域クラブなど】にそのつど問い合わせることが必要です。アマチュア無線従事者試験の受験申請書は、上記ページにリストアップされているクラブリーダー達が最寄の入手先を教えてくれるか送付してくれるはずです。
※各課目選択付き受験申請書は、ACMAではなくて各WIA支部に用意されています。

ちゃんと申し込んだ筈なのに「試験日の3日前になっても受験票が届かない」なんてコトはザラです。
『豪に入りては豪に従え・・・』で、怪しいと思われた場合には、ご自身での確認を怠りなく。
 
 
 Last updated: 31 December 2011